ずぶ濡れでワッショイ 川西小白倉で奇祭「もみじ引き」
市内小白倉で6日、奇祭として知られる「もみじ引き」が行われた。
もみじ引きは、もみじの木を神輿代わりに引いて集落を練り歩き、無病息災、五穀豊穣を願う祭りで、100年以上の歴史があるとされる。以前は紅葉の時期に行われ、神輿が買えなかった村人が色づいたもみじを代わりにしたのがはじまりという。
この日は住民や出身者、旧白倉小学校で建築を学ぶために夏期合宿を行っているイギリスのロンドンAAスクールの学生22人ら総勢約70人が参加。前日に地元の山から切り出した高さ約6㍍、樹齢約80年のおもみじを引き、「ワッショイ、ワッショイ」のかけ声をあげながら集落内を練り歩いた。
観衆がバケツやホースなどを使って引き手に水を浴びせかけるのもこの祭りのおなじみの光景。さらに引き手同士で道路脇の池に落とし合ったりして、ずぶ濡れになりながら1日かけて集落を巡っていた。
同所で夏期合宿をするようになって来年20年を迎えるAAスクール。担当の江頭慎教授は「建築家を目指す学生にとって、ここの人達や環境から得るものは大きい」と地元に感謝する。祭りには当初から毎年参加。田中一男祭実行委員長は「昭和30年代82戸あった集落は、現在22戸。AAスクールの若い学生が祭りに活気を与えてくれるだけでなく、不足するマンパワーも補ってくれている」と感謝していた。
《本紙9月10日号1面より》