伝統の舞と舞台を披露 6年ぶりに赤沢神楽
6年ぶりとなる津南町の無形民俗文化財「赤沢神楽」の奉納が18日夜、同町赤沢の八幡神社境内で行われた。
同神楽は津南町でただひとつ残っている神楽で、戦後途絶えていたが昭和42年に復活し、地元有志による赤沢神楽保存会が伝統の灯を守っている。通常は10年か7年おきに奉納されるが、小学校6年間で一度も舞台に立てない児童がいること、昨年、町の無形民俗文化財の指定を受けたことから今回は通常より早く行うことになった。
舞台は巨大な丸太を使う大掛かりなもので、今年4月に集落共有林から杉を切り出し、地域に伝わる図面をもとに集落住民約80人が参加して皮むきや組み立て作業を行い、130年前の引き幕(町文化財)や屏風を飾りつけて色鮮やかな伝統の舞台を完成させた。出演する地元の芦ヶ崎小学校児童や保存会メンバーも3ヵ月以上の練習を重ねてこの日を迎えた。
当日は、町内外から観客約800人が詰めかける中、保存会メンバーによる勇壮な「獅子舞」「天狗の舞」、漫才の「おかめ六兵衛」、芦ヶ崎小児童による可愛らしい「おけさ踊り」「岩室甚句」など11演目が2時間にわたり披露され、出演者の熱演に観客からは盛んに拍手やおひねりが贈られていた。
(写真:勇ましい舞で観客を魅了した「天狗の舞」)
《本紙8月20日号2面より》