伝統の「オンビロ」上げも 飛渡第一小でさいの神
十日町市立飛渡第一小学校(高橋しげ子校長、児童数10人)で17日、地元老人会らの協力で同小恒例の「さいの神」が実施され、全校児童を含め20人余が参集した。
「ふるさと環境学習」の一環として地元に伝わる小正月の伝統行事を学んでいる同小。平成7年に十日町市無形民俗文化財の指定を受けた「新水のどんど焼き」を原型に藁で作り上げた道楽神には顔を付け、「卒業記念」や「年賀状」と書いた習字や願いごとを書いた紙などを結びつけ燃やす。
最大の特徴は、今では新水地域のみに伝わる「オンビロ」を作成して青竹に吊るし、火の上にかざし、煙に乗せて高く飛ばす伝統行事の継承。見えなくなるほど空高く舞い上がれば、その年は豊作(五穀豊穣)で一年間を健康に過ごせる(無病息災)等が言い伝えられている。
かつて集落では厄年の人が実施した伝統行事だが、同小では4~6年生の計4人が新水文化財委員長の久保田秀一氏の指導を受け前日に色紙で作成して、この日に備えた。
快晴に恵まれたこの日は、午前中に「わら細工作り教室」が行われた後、地元老人会と学校職員が作り上げた道楽神を点火し、するめなども焼かれる中で高学年の子ども達は自身で作成したオンビロを火の上にかざし、煙と共に上空に登っていくと歓声を上げていた。
6年生の西山葉月さんは「オンビロを作る時はカッターで手作業と大変でしたが、上手に上がってくれ、頑張って作った甲斐がありました。健康と家では料理が上手にできること、中学校で友達が出来ることを祈りながら行いました」と満面の笑顔を見せていた。
最後に無病息災を願い「すみぬり」も行われ、子ども達は伝統の小正月行事を満喫していた。
(写真:オンビロを上げる児童)
《本紙1月20日号3面記事より抜粋編集》