牧場に春が来た! 妙法育成牧場で放牧始まる
津南町上郷宮野原の県営妙法育成牧場(増子正弘場長)で12日、乳牛の放牧が始まった。
標高630mから950mに位置する同牧場。例年、冬期間は3mを超す積雪となり、放牧地は約半年間雪に閉ざされる。少雪だった今冬は、最高130cmの積雪にとどまり、昨年より24日早い放牧開始となった。
同牧場では、県内の酪農家から生後9ヵ月の乳牛を預かり、高能力牛の受精卵移植や優良精液の人工授精を行い、約1年間育てて受胎を終えた牛を酪農家に返している。近年は飼料価格の高騰や預託制度の変更により預託希望が増えており、今年度は約170頭の受け入れを予定している。
放牧された牛は、約105ヘクタールと県内一の面積を誇る放牧地で11月上旬まで放し飼いされる。標高差の大きい広大な放牧地を走りまわり、豊富な牧草を食べることで、牛たちは体格の良い健康体に成長、1日約1kgも体重が増える牛もいるという。
この日、職員により牛舎のゲートが開けられると、牛たちは軽い足取りで冬期間過ごした牛舎を飛び出し、バイクに乗った職員に追われながら約3km離れた牧草地まで移動。初夏の日差しの中、気持ち良さそうに新緑の牧草を味わっていた。
《本紙5月19日号1面より》