県内最大の立石配石遺構が出土 縄文後期~晩期の樽沢開田遺跡で
市教育委員会では市内樽沢の樽沢開田遺跡の発掘調査を5月下旬から先月30日まで行った。同遺跡からは市内では数少ない縄文時代後期後葉から晩期前葉にかけての遺構・遺物が数多く出土、県内最大規模となる大型の立石配石遺構も発見され、関係者の注目を集めている。
同遺跡は約3300年前~2700年前の約600年間続いた集落跡で、推定規模は1万平方m。今回の調査範囲(約2000平方m)には最盛期に4~5軒の住居が建ち、20~25人が生活していたが、土石流に襲われ人が住めなくなったと考えられている。
発見された立石配石遺構は、長軸約6m×短軸約2.5mの長方形の敷地に、5つの立石が等間隔に並び、その周りに大小の河原石が二重に敷き詰められている。土石流に覆われていたため保存状態は良好。規模としては県内最大で、似た形状の遺構は東日本では見つかっていないという。祭壇か集団墓などの可能性があるが、詳しい使用目的は調査中。
立石配石遺構は学術上貴重な遺構であることから現地で現状保存(盛土保存)を行う。また今回の調査で得られた遺物や記録類は今後一年かけて整理し、平成23年春に調査報告書としてまとめる計画だ。
(写真: 樽沢開田遺跡で発見された立石配石遺構)
《本紙10月5日号2面より抜粋編集》